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3.更紗の模様

ここで説明する更紗の模様は主にインド更紗のものですが、多くはペルシャ更紗の模様とも重なるものになります。

樹木模様(糸杉模様)

古代、東方では樹木は生命や不死の象徴として尊ばれていました。 もっとも古い樹木模様は、樹木の左右に有翼の守護神を描いたものといわれています。
この樹木模様はイスラムの聖樹として神聖視されている、糸杉の模様へとその伝統が受け継がれていきます。
「永遠の生命」を表し、イスラムの聖樹となっているこの糸杉模様はまた、ペルシャにイスラムがもたらされたときから、ゾロアスター教徒(拝火教徒)が炎の形をなぞらえて絨毯に織り込むようになったとも言われ、興味深いものです。

ペイズリー模様

花のように図案化されたペイズリーと切花模様

ペイズリーの発祥については定説はないのですが、糸杉が風に揺花のように図案化されたペイズリーと切花模様れている様子を表したものという一般的な説があります。糸杉が曲がったような形をし、輪郭中に草花が描かれたり、母子のように大きいペイズリーと小さいペイズリーが重ねて描かれたり、さまざまなバリエーションがあります。このペイズリー模様は特に、ペルシャ更紗に多く見られます。

唐草模様

唐草模様は古代エジプトのナイル川岸のロータスを描いたものが原型であるといわれています。ギリシャのパルテノン神殿の装飾にも見られるこの唐草模様はローマ、中近東を経てさまざまに変化・発展し、インドでは華やかな花唐草となりました。

小花やペイズリーをつけた唐草模様

ペルシャ更小花やペイズリーをつけた唐草模様紗で非常に多く見られる唐草模様は、ペルシャ絨毯においてもさまざまなバリエーションで美しく織り込まれています。
時にブドウの蔓を思わせ、時に花や葉を付けながら美しく巻きつけるこの唐草模様は、東西各国でそれぞれの特性を取り入れながら表現されています。

花束模様

唐草模様に比べ、より自然な形で表現される花束模様は、切花の花束の形や地面から生えた形で表現されます。
ペルシャ更紗では洗練された雰囲気の小ぶりな花束模様がしばしば染められ、ヨーロッパの影響の濃いものも良く見られます。

人物模様

ペルセポリスレリーフに見られる、玉座の王とアフラマズダ

インド更紗の人物模様は、ヒンズー教の神話を素材にしたものや、異国の人々ペルセポリスレリーフに見られる、玉座の王とアフラマズダを題材にしたものが多く見られます。
ペルシャ更紗では、王とライオンの図柄などペルセポリス遺跡のレリーフ模様に見られる模様、またレイリーとマジュヌーンの物語など、物語を主題にしたものも多く見られます。

動物模様

動物模様では、トラや鹿、鳥などのさまざまな動物が、花や唐草、ペイズリーなどと組み合わされて幻想的な美しさを出しています。


更紗の話


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