白いコットンの縦糸に中細のウールの横糸でかっちりと織り詰められた地は、糸色を変えるモチーフの輪郭部分はすべてつなぎ織りで隙間なく留められ、充実した丈夫な仕上がりになっています。カンバス地を思わせる強く腰のある織り地は、色糸を足して織り出す小花模様やつなぎ織り工程が裏面に盛り上げる糸部分も含めて、平織りながらしっかりとした厚みを生み出しています。藍色の太い糸でかがられた左右の端や縦糸をまとめたフサは1センチほどの厚みがあり、糸の密度と共に織り地全体にどしりと落ち着いた重みを感じさせます。
えんじに藍、濃い緑に紫を中心とした糸色は帯模様のひし形を艶やかに浮かべつつも全体を深い色味に包み、帯の隙間を埋める黄や白の花の列、そして四方の端でぎざぎざと揺れながら配色を変えて重なる小花の波が何とも豪奢な、幻想的な縁模様を描いています。
仕入れ後には2度業者による水洗いを経、上下の端の裏面には人工皮の帯を取り付けて、よりぴったりと床に落ち着きやすくしました。
リビングやダイニングに大きく敷き込むセンターラグなどに。堅牢さと美しさ、大胆さと繊細さが同居する、情緒に満ちたアフシャール族のオールドキリムです。 |
藍や紫が織りなすあたたかな夜の色に浮かび上がる大輪の花の列。羊毛ベージュの糸が白く照らされ、黄や緑の輪郭が浮き沈みする文様は艶やかながらも、その外側に幾重にも広がり、帯模様の間にちらちらと入り込んで一面を埋める無数の小さな花の吹雪が、見る者の目も心も捉えて離しません。
久しぶりに手に入れることのできたアフシャールキリムです。イラン南東部のケルマン州に住むアフシャール族のキリムは濃く重厚な色彩に強く堅牢な織りを特徴としますが、その多くに見られる丸く小さな花の模様が剛健な顔立ちを幽玄華麗に引き立てます。
1970年代に織られたこのキリムは、典型的な構成の文様により小さく繊細な花モチーフをこぼれんばかりに織り込めて、夜桜を思わせる印象的な光景を描き出しています。長く仕舞い込まれてほとんど使われた様子はなく、表面の手触りこそ硬い毛羽立ちが和らいでさらりとしているのですが、糸色は当初の鮮やかさを残し、傷みやすい上下の端部分すらもオリジナルの形そのままの縦糸を編み上げた太く素朴なフサが、テント生活の素朴な情緒をまとっています。
品番 |
k18709 |
品名 |
オールドキリム |
サイズ |
約251×165p(フサは含みません) |
素材 |
ウール、縦糸コットン |
原産国 |
イラン・アフシャール族 |
価格 |
SOLD |
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