オールドキリム　シャフレバーバク　k16525/　クラフトワーク

* オールドキリム（スマック織り）　 *

（→）細い糸で繊細に織り上げられる多くのシルジャンスマックと異なり、このキリムは太い色糸でざっくりと、素朴に織り上げられています。自家用として織られたらしいこのキリムは、ウールの縦糸にコットンの横糸を使う平織りにウールの色糸をくるくると巻きつけながら、とにかく厚く堅牢に織り上げられています。太い色糸はしっかりと目を織り詰めながら段の隙間にちらちらと白い地織りを見え隠れさせ、藍やえんじのさもなくば濃く塗りこめた色彩に泡のような軽さを加えています。
何重にも重なる糸はボリュームのある丈夫な厚みをつくり、持ち上げてみると比較的やわらかな質感の、どっしりとした手ごたえが伝わります。織りと糸の特徴に加えてよく踏んで使い込まれていることで、表面の手触りはさらりとやわらかく、キリム特有の硬さや毛羽立ちはあまり気になりません。ベージュの部分にはそこここに色にじみが見られ、また仕入れてからの水洗いでも落ちなかった汚れが散見されますが全体の色が濃いために目立たず、小さな横糸のほつれ以外には特に傷みは見られません。左右の端かがり部分にはこすれが見られたため、仕入れ後にかがり直して補強しました。全体の形はスカートのように裾に向かって広がり、横幅は上部で約138cm、下部の最大部分で約150cmとなっています。
リビングにはもちろん、ダイニングセットの足元などにも。しっかりとした質感が使いやすい実用性と、鷹揚にも壮麗な見ごたえが同居するオールドスマックキリムです。

さらりと柔らかな藍色の間で、縦に連なる赤と白のひし形の列。昼と夜のように組み合う互い違いのひし形にはどれも花や動物、蝶や鳥のモチーフが生き生きと織り込まれ、豊かな自然と生命を賛美するようです。
いちめんを細かな文様で埋めながらもどこかざっくりとした表情は大きな画面に描かれたクレヨン画を思わせ、プリミティブな力強さと隅々まで装飾された荘厳なたたずまいを感じます。
遠目にはグレーのかって見える藍に濃淡のえんじ、紫が全体をみやびにも堂々とした色調で治める中、モチーフは黄に緑、空色を交えて豊かに艶めき、羊毛の自然なベージュが華やかな明るさを挿しています。
スマックとは、平織りの縦糸に追加の色糸を巻きつけながらモチーフを織り出す技法です。非常に手間と技術を要する技法ですが、織りあがりは繊細で美しく、またとても丈夫です。色糸が追加されるため織り地に厚みが生まれ、表面は均一でモチーフの間の隙間（スリット）はまったくありません。
このキリムはイラン東北部、ケルマン州のシャフレバーバクの町から手に入れた1960年前後のオールドキリムです。スマックキリムの産地として名高いシルジャンの町から程近く、シルジャンの町からも同じ文様のキリムを買い受けたことがありました。（←）

品番	k16525
品名	スマックキリム（オールド）
サイズ	約231×142cm （フサは含みません）
素材	ウール
原産国	イラン・シャフレバーバク
価格	SOLD
送料	無料

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