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キリムの色

色彩はキリムの最大の魅力

色はキリムの最大の魅力のひとつ。冴え冴えと目を捉える赤やオレンジの鮮やかな彩りから、セピア色の揺らめく深く静かな佇まいまで、キリムの色には無限の広がりと奥行きがあります。

草木染めと化学染料

遊牧生活の中で織られるキリムの糸の染色は、つい最近まで草木染めのみでした。 女性たちは牧草の間やテントの周りの土地からハーブや花や根っこを集め、それぞれの特別な染色レシピで糸を美しく染めました。その時々に手に入る材料で一束二束染めては織り進め、足りなくなったらまた染める・・古いキリムにしばしば見られる気まぐれな色の変化にはそんな事情もあるのです。

鮮やかな化学染料

19世紀中ごろ以降にはキリムにも化学染料が広まります。草木染めでは難しい色も容易に出せるこの新しい染料は遊牧民に大いに好まれて、より色鮮やかなキリムが織り上げられるようになりました。自然の色に比べるとややきつい発色ながら、やわらかな色調に入り混ぜられたピンクやオレンジは美しいアクセントを与え、とりどりの彩りがより豊かな表現を生み出しました。現在イランで織られるキリムの多くは草木染めと化学染料が併用されて、それぞれの長所が生かされています。

時と共に変化するキリムの色

キリムの色は時と共に褪せてゆきます。濃く鮮やかな色彩が和らぎ、ほんのりと褪めた様子は織り上がりよりも趣きがあり、上品な印象を与えます。草木染めの色彩は比較的早く褪色し、中には長い時を経て美しい褐色の濃淡に変化するものもあります。化学染料の混ざる染め色はより緩やかに変化しますが、淡い諧調にちらりと浮かぶ鮮やかなオレンジや、色むらの揺らめく緑やピンクは何とも言えないドラマチックな魅力で見る者の心を惹きつけます。

色むらの魅力

色むらはペルシャ語で「アブラッシュ」と呼ばれ、不規則な揺らめきが美しい趣きをもたらします。一本一本の糸の染めむらが描く細やかなすじ模様や、ニュアンスの異なる色糸によって生じるグラデーションなどさまざまな色むらがありますが、褪色によって生まれる色むらはとりわけ繊細で美しく、ときに思いがけない効果をもたらすこともあります。

無染色の羊毛色キリム

とりどりの彩りが醍醐味のキリムですが、あえて染めていない羊毛色の糸のみで織られるキリムもあります。色分けして紡がれた糸はベージュやグレー、褐色の濃淡を表し、セピア色やモノトーンの諧調で文様を織り出します。自然な羊毛色が不思議なほど洗練された印象を与えるこれらのキリムは年月を経ても色褪せることがなく、よく踏むことによって生まれる糸そのものの艶めきは格別です。


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手織りラグの店クラフトワーク・店頭のキリム

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「手織ラグの店クラフトワーク」

名古屋市千種区山門町1‐47‐2 TEL:052-763-2656
営業時間 11時ー18時 月・火定休
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