ゆらりとした色むらにふと心をつかまれ、吸い込まれそうになる濃く清々しい青。しっとりと染まった青糸の抱き込むほの淡い染めむらは濃淡の青みにちらちらと白い粒子を織り交ぜて、風とも水ともつかない澄んだ流れを漂わせています。
光の加減で濃く深くも、透けるようにも変化する景色には黄色のヤギたちがきらきらと瞬き、赤くつぶらな瞳を輝かせています。ぽっそりとした毛足に揺らめき、時に消え入りそうになる小さな姿は、織り段の描くゆるやかな曲線の中で波のまにまに漂うようです。
少し細めの毛足は一本ずつのまとまりを良く残し、よく詰んで安定した毛並みを立ち上げています。斜め上を向きながら重なり合う毛並みはすっきりとした厚みに落着きながら、触れるとしっとりと充実した奥行きを感じさせます。