乱反射する光の浅く透明な水色は昼の太陽、堂々とした濃さに熱と力のみなぎる赤は曙と夕映えの空。刻々と変わる光に季節の装いをまとう大地はときに新緑の黄緑を、ときに青々とした草原を、またときには砂漠の土色を黄にも茶にも照らして時と風の移ろいを奏でています。
古来より太陽を表してきたぎざぎざ模様は大きな織り地の中で伸びやかに広がり、不敵なほど自信と潤いに満ちて見えます。ゆらめく光の輪郭に分割された領域は各々流れるような点描とともに糸色を変化させ、全体にはオーロラめいた不思議な色彩に降るような星が入り混じる、目くるめく景色を広げてゆきます。
それぞれの糸色は染めむらに羊毛の濃淡を重ね、細やかな色むらが艶めきと透明感を与えています。隣り合う次の色領域にぱらぱらと入り込む点描は発散する光線のように広く散らばり、晴れた砂漠の夜の満天の星のきらめきを響かせています。