一面に広がる花畑に昼と夜とを重ねる空の鏡。ちらちらとほころぶ花々は大地の色で光のようにも、瞬く星のようにも見えます。
くっきりと照るような羊毛色の回廊に内と外に分かれる帯模様は、良く眺めれば緑の層は３分の１にも満たないのに、みずみずしい草原の光景を織りなしています。ビリジアンと黄緑を細やかに入り混ぜた艶めく緑は、澄んだ青に茜の赤、藍にあたたかな黄と変遷し、それぞれの境界は互いに流れ込む点描にぼかされて、ふわりとした霧状のグラデーションが時の動きを感じさせます。
小さな花の連なりはときに木立を描き、ときに方形を並べながら、点描と混ざり合って繊細なリズムを紡いでいます。緑に始まり緑に沈む縞模様は枠模様の外側では左右で非対称の重なりを見せ、色彩も帯の厚みも、色むらの傾きすらも異なる縞は、中央の縞模様のまた別の流れを挟んでだまし絵ののような、小気味のいい調和を誇っています。