* オールドギャッベ絨毯 「届いた声」 *
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草木染しか目にしたことのなかった60年前の遊牧民にとって、明るいインクは華やかな魔法の染料でした。幾度も洗われ、使い込まれながら経た時間はどの色も穏やかに溶かしあいながら、陽に照らされきらりと映える色彩が、わくわくと踊る織り手の心をふわりと運んでくるようです。 手に入る材料を使い、素朴に織りあげられた地はそこここで織り段のつじつまを合わせながらも朴訥に織り進められています。さまざまな風合いや太さが入り混ざる毛足はどれもしっかりと紡がれ、ころころと腰のある塊を並べています。踏み込まれ、使い込まれた毛並みはふかりとした柔らかみを密に押し詰め、撫でると一本ずつの毛先のもこもことしたボリュームを感じます。 よりまとまり、安定した毛並みとは裏腹に土台の平織りは硬さをほぐされ柔らかく育てられ、持ち上げてみるとくにゃりと弾力のある、重く分厚い毛布のようです。しなやかな質感は床に広げると上下にかすかな波打ちを生みますが、使用と共にウールの特性により落ち着いていきます。仕入れ後には業者による2度の水洗いを経て、四つ端には新しいボンボンを、左右2辺の裏面には人口皮の帯を取り付けました。 ソファーの足元や、フローリングの飾りラグなどに。時を超えてそこにある不思議さを肌に感じる、鮮やかなオールドギャッベ絨毯です。 |
遠く離れれば離れるほど、不思議なほどより明々と浮かぶ赤。ひし形の格子の向こうで次第に褪め、和らいでゆく光は冴え冴えと濃い空や光の白を垣間見せる窓に、鮮やかな時の記憶を重ねて見せます。
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