薄明りの元では青とも緑とも名前のつかない、淵のような緑。空と木々を映し奥底から湧き出る色彩は濃緑のゆらめきにはらりと青い光をまとい、散らばるヤギや花のモチーフをゆらゆらと浮き沈みさせています。
黄と青を重ねて染め出す緑の糸はほんのりと青みを帯び、染めむらの淡さにやわらかな黄を覗かせて複雑な色むらを描いています。しっとりと染みる深緑の流れは次にはふわりと散って青みを広げ、全体にはちらちらとほの明るい黄緑が粒子のように入り混ざります。
光の加減によっては深い藍にも見えかねない表情は角度を変えるとさらりと白っぽい青緑にくっきりとモチーフを浮かべ、これも雲の流れる草原のように気まぐれに緑と青を行き来します。
細めの毛足は密集してよく詰み、張りのある締まった毛並みをたたえています。