薄黄色に縁取られて色濃く輝く黄金色。煌めきながら変遷する光のグラデーションの中には、一本の糸杉が空高く梢を伸ばしています。
黄とオレンジの間を揺れるように軽やかに染まった糸は、羊毛の含む茶やこげ茶の色むらを影のように映し出しながら、刻々と変化する日差し色の繊細なバリエーションを重ねています。
赤と緑の点でちらちらと描かれた大きく細長い紡錘形の輪郭に視線を捉えられたかと思うと、次にはその内部に伸びる葉脈のような細く淡い線に惹きつけられます。織り地の真ん中に大きく織り込まれた「命の木」は無数に広げた枝一本一本に勾玉のような葉を繁らせ、赤の濃淡と緑が連ねる外枠に存在感を負わせながら光を透かす透明なたたずまいは、繊細にも神秘的な気高さを放っています。