濃色の羊毛を紡いだ自然な茶色が広がる中に、大きな赤いヤギが7匹、鮮やかなシルエットを浮かべています。
栗の渋皮を思わせる濃淡の茶にほの明るいベージュの繊維が混ざりあう糸色は、離れて全体を眺めると赤みの少ない静かな茶に、白っぽさと焦がしたような渋みが複雑に溶け合っているように見えます。
繊細な抑揚を含んだ色彩は光の加減で驚くほど印象を変え、ある時はまろやかな黄色みが頭をもたげてパステル調の茶が朗らかに広がり、またある時はかすかに青みを感じるほどのグレーが影のようにひっそりと重なります。
毛足はそれぞれのまとまりを残しながらふっかりと立ち上がり、豊かな毛並みを持ち上げています。