「クラフトワークのギャッベがこんなに安いのはなぜ?」というお問い合わせをよく頂きます。デパートや家具店などで見かけるギャッベは、お店によっては倍ほどのお値段がするのだけれど、なぜ? もしかして、品質が違うの??という、なんとなく問い合わせにくいけれど、当たり前で素朴なご質問にお答えします。
まず、日本市場のギャッベの価格についてですが、お店で見かけるギャッベは通常、現地の業者や輸入業者をはじめとし、複数の業者の手を経てから店頭に並んでいます。それぞれが手数料等を上乗せする必要がありますので、店頭に出るまでに順に価格が上がっていきます。イランから直接輸入しているという日本の問屋さんや、イランから直接販売する現地の卸業者さんでのギャッベの価格を見ても、織り手から直接買い付ける場合の倍以上の価格にはなりますし、外国向けに企画され、織られているギャッベは元々の価格が高く設定されています。
弊店のギャッベは織り手から手元に渡るまでほとんど業者を介さない形で直接買い付けています。(買い付け後には洗浄や端纏りなどの専門業者の手が入ります。)長い間に培った織り手さんやその周りの人々との信頼関係を土台とする私たちだけの買い付け方法により、品質の良い、美しくウィットに富んだギャッベを納得できる価格で販売することが出来ます。
ちなみに織り手個人へ支払う代金は、似たサイズのものであれば販売価格にかかわらずほとんど変わらないはずです。買い叩いているわけでは決してありませんので、どうぞご安心下さい・・。
ギャッベには織りのきれいなものも粗いものもいろいろありますが、出来ばえによって卸価格が変わることはほとんどありません。(※注) 複数のお店で比べる場合、販売価格と品質は必ずしも比例しないので、むしろ一枚一枚のギャッベそのものをよく観察されることをお勧めします。
また、最近は薄手のギャッベが多くなりました。シルクのペルシャ絨毯が薄手であったり、目の細かい「ファイン・ギャッベ」は薄く刈り込まれるものが多いため、薄いものの方が品質が高いと思われることがありますが、本来は織りの品質と厚みは関係がありません。「ファイン・ギャッベ」でもたっぷりと厚みのあるものもあり、通常のギャッベでも薄く刈り込まれるものがあります。
薄手のギャッベには毛足や織りの個性、モチーフの輪郭を美しく切り出すための刈り込みなどそれぞれの理由がありますが、同時にウールや手間の節約、輸送費用の軽減など利便性によるものもあります。織りの良さは全体のウールの詰まり、裏の織り目に表れますが、厚いもの、薄いもの、どちらもその絨毯の個性ですので、使用目的やお好みで選んで頂くのが一番です。
実店舗にお越しいただいたお客様にはよく、「いいものがお手ごろなお値段なのね。」と仰って頂いています。実物をご覧いただければ一番いいのですが、織りや糸質が違うために価格が安いわけではないのでどうぞご安心くださいね。(どちらかというと、ウールをふんだんに使ったボリューム満点のふかふかギャッベなんですよ。でもそれは、実際触ってご納得いただかないといけないので小さな声でいいますネ・・。)
ただし、ギャッベは一枚一枚の個性が強く、厚みもさわった感じもそれぞれに異なります。ネットの写真と説明ではわかりづらいことが多いので、気になる部分はどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
(そして、直接買い付けでお値打ちなギャッベですが、「もっとたくさんの人にもっと気軽に使ってもらってよさをわかってほしい!」なんて気持ちから、出来るだけ上乗せも抑えた価格でこれからもがんばろうと思います。セールも値引きもできないのですが、何卒、ご容赦くださいませ・・・・。)
※注: 弊店の場合、ギャッベはサイズで価格が決まります。モチーフが多くても少なくても変わりません。織り目の細かい“ファイン・ギャッベ”も同様に、別レートでサイズ価格となっています。