品番 cp20342
品名 ペルシャ絨毯(オールド)
サイズ 約180×156cm 厚さ 約1cm
※サイズはフサを含みません
素材 ウール、縦糸コットン
織り 手織り
原産国 イラン、ヘリーズ産
送料 無料
価格 SOLD
かさりと乾いた葡萄の葉のくるりと跳ねる葉先。ゆったりと大きく広がる花や葉は重なり合い、迷路のように入り組んで、ピンクと藍の甘い艶めきに枯れ葉色の陰影を絡み合わせています。めくるめく色模様が目を捉えて離さない、イラン北西部の村ヘリーズのオールドペルシャ絨毯です。
サバラン山麓で農業と牧畜を営むヘリーズの村では昔から、肥沃な土地の養分で育つ強く腰のある羊毛を使って、堅牢な絨毯を織り続けてきました。一目でそれと分かる特徴的な文様と優れた耐久性により世界に名を得たヘリーズの絨毯は、独特で美しい直線模様の効果から、魔法の絨毯と異名を持つようになりました。
1960年代に織られたこの絨毯は、直線と曲線が呼応しあうヘリーズ特有の文様が長い時の流れに育てられ、ため息を誘うほどに優美な顔立ちを広げています。大きく開いた花の形のメダリオンはやわらかに輪郭をくねらせながら、凛とした直角をそこここに浮かび上がらせています。四つ端のベージュをくねくねと縁取る蔦や細長い葉はメダリオンの斜辺と並行に織り出され、そこから咲き出す双頭の花は中心から真っ直ぐ伸びる葡萄の葉と流れを共にしています。
ゆったりとした余白を満たすあたたかなピンクはほの褪めて染みるようなグラデーションを描き、気まぐれに残る色濃さやほんのりとグレーを帯びた渋みが朧な趣きを与えています。淡い彩りや中間色の間で深い藍が夜のようにしっとりと光を吸うのですが、これもまた中央から遠ざかるにつれてはらりと濃さを落として、上下の枠では静かな茶やグレーをくゆらせています。もつれるような文様と色むらの陰で上下対称な筈の文様はだまし絵のように配色を移ろわせ、メダリオンを縁どる緑の蔦はするりと濃い水色に変化しています。
太いコットンの縦糸にしっかりと織り詰められた太い毛足はごく短く刈り込まれながらも腰のある、強い毛並みをたたえています。使い込まれてなめらかに艶めき、馴染んだ毛並みは触れると硬く感じるほどに張りがあり、薄手にも指を立てると詰んだボリュームを感じます。よく締まった織り地はしなやかな質感で、思いがけないほどのずしりとした重みが床にぱたりと落ち着かせます。古いものながら傷みは特に見られず、良い状態で保たれています。仕入れ後には2度の洗浄作業を経て、左右の端は新たに縁かがりをして裏面に人工革の帯をとりつけ、上下のフサ部分は根元を縛りつなげて織りあがりの絨毯同様の仕上げを施しました。
ソファーやテーブルにも合わせやすい、ゆったりと幅のあるサイズです。夢の扉を開いたような、ヘリーズのオールドペルシャ絨毯です。