* ペルシャ絨毯 (オールド) * | ||||||||||||||
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1980年代に織られたというこの絨毯は、何故かほとんど使われずに大切に仕舞い込まれていたようで、染め色や手触り、端かがり部分に至るまでまだ初々しい織り上がりの風合いを保っています。 細いコットンの縦糸を密に張り、1平方センチあたり約16目のペースで織り込んだ毛足はふかりと先をほぐして馴染みあい、ほっこりと腰のある毛並みを立ち上げています。細やかな織り目はモチーフの輪郭をくっきりと描き出し、毛足はすっきりと短めに刈られながらも充実した密度がやんわりとした弾力を生んでいます。 全体の輪郭は素朴な曲線を含み、上の方では左右がわずかにすぼまって、横幅は最小約78cm、裾の最大部分で約81cmとなっています。汚れや補修跡も見られませんが、仕入れ後には2度水洗いをし、左右の辺の裏面には人工皮の帯を取り付けました。 玄関マットをはじめ、机や家具の足元、飾りラグとして。かすかな赤みと黄色みが艶やかな象牙色の羊毛に、眺めるほどに小さな青や緑が冴えてくる、麗しいナスルアバッド絨毯です。 |
くっきりと濃い枠模様に囲まれた矢模様は、これも夜の藍を湛えて花とダイヤを浮かべ、しゃらしゃらと縁取る小さなペイズリーが澄んだ錫杖の音を連想させます。かっちりとした枠組みに負けず明快な輪郭を誇るモチーフは、写実的な顔立ちに華やかな背飾りの4頭のラクダ、見栄っ張りの豪華な鳥に愛らしい小さな鳥、幾何学形を組み立てた結晶のような花々と、きれいに様式化されながらもどこか素朴でユニークな表情が見る者の目を捉えます。
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